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デザインで『良い』という判断軸

良いデザインを判断することはとても難しいです。なぜなら、デザインというのは、すべてのカタチのことを表しているからです。だからこそ、カタチに意味を持たせること。意味を持ってカタチをつくることに、良いデザインの判断軸はあると考えます。

ビジネスでデザインを使う際には、カタチにこだわっただけの商品やサービスは売れません。なぜなら、意味が伝わらなくては売れないものがあるからです。それは、ストーリー性を感じてもらうことに商品の価値があって、意味のある形にこそデザインの意味が込められていると考えられるからです。

IBMなどのロゴを手掛け、スティーブ・ジョブスからも「彼は地球上で最も優れたグラフィックデザイナーだ」と言われていた20世紀を代表するポール・ランドさんの言葉 ーーー

デザインとは、形と中身の関係である。

この言葉は有名な名言です。この言葉からは『中身のない形はデザインではない。』という意味にも聞こえます。そこで、より良いデザインを行う際の会社の業績に関わるデザインの中身とは何か?についてお伝えできればと思います。


現代ビジネスの流れ

ビジネスにとって良いデザインを判断するには、現代のビジネスの流れを理解しておく必要があります。その理由は、企業の成長にとってのデザインは、時代の流れに沿った変化、自社や時代を表す象徴となる表現が必要だからです。

さて、現代のビジネスについてですが、過去10年の分析だけでも、お客様が求めているものの移り変わりやビジネスの方向性にとても早い変化を感じている方も多いと思います。

特に今は、スマホの普及率に伴い、お客様の選択肢が極端に増えました。また10〜20年前に比べ、個人の価値観が認められやすい社会に成長しています。そこで、お客様の価値観に合わせたビジネスもどんどん増え、それが各々に発展し、さらに細分化された商品やサービスが増え続けている状況です。

このような現代の流れにより、ビジネスはより複雑になってきましたし、お客様の価値観に合ったものづくり(サービス)が必要な時代へと突入しています。これにより、デザインへの取り組み方に対しても、これまで以上に戦略的でロジカルに取り入れることが重要になってきていると言えます。


ビジネスにデザインが必要になった理由

前述の時代の流れ(特にスマホの普及)により、ビジネスにデザインが取り入れられる場面は格段に増えました。昨今では、多くの企業がデザイン思考を取り入れ始めています。それもデザインを必要とする場面(企業の価値観を表現する場面)が増えたことが理由だと思っています。

デザイン思考というものを大局的に捉えると、考え方そのものはPDCAと近く、王道のビジネスロジックに沿った進め方をすることが、顧客満足を高め、自社技術(価値)の創出ができる取り組みを行っていくものです。

つまり、デザイン思考を業務にどれだけ取り入れても、本来のデザインの良し悪しを知らなくては、業績アップにはつながりません。その結果、多少の業務改善はできても、売れないものづくりになってしまう場面もあります。

ビジネスにとってデザインは、アートの力を使って、商品や企業の力を最大限に発揮させるためのツールです。その事にいち早く気付いている企業にとっては、より良い成果や効果が出ているでしょう。逆に、見た目だけをデザインのチカラだと判断している企業は、その力を十分に発揮できていないはずです。

そこで、ビジネスにおいてデザインを使う際に最も大事にしなくてはならない2つの判断軸[1、情報量と行動、2、問題定義]についてお伝えしたいと思います。


1、情報量と行動

良いデザインとはどんなもの?これはよいデザインなの?と指をさされて聞かれても、形が存在すること自体がデザインなので、お答えするのは難しいのが本音です。ですが、良いデザインをする際には、情報量と行動が左右します。そこで、良いデザインが出来上がるまでの考え方について触れたいと思います。

良いデザインとは、様々な要素を客観的に判断し、見た目と機能性、統一感など、人と人との関係を結ぶために行う行為が目的となっていることです。デザイン思考でも重要視されている『仮説と検証』とは、誰にとって良いデザインか?という視点でいかに情報を集めることができ、お客様にとってどのような行動を取れるかが重要なポイントです。 *この場合の「行動」については、お客様のためにどのような形に決定したのか?という、見た目のデザインについても含まれています。

事業あるある

誰にとって良いデザインか?という目的を果たしていないデザインは、企業の特徴も魅力も発揮できないまま、衰退につながるデザインをしただけだと言えます。

逆説的にお伝えすると、誰にとって良いデザインか?を考えずに取り入れたデザインは、企業にとって大きな損失をしているだけになります。つまり『本当に伝えなくてはならないことを、社内やお客様に伝える機会を失っている状態』なのです。ですから、その状態が何年も続くことになれば、その被害は想像を超える大きなものだということがお分かりになると思います。


2、問題定義

誰にとって良いデザインか?というのは、もちろんお客様にとって良いデザインであることが重要ですが、そのために貴社が何をするのか?ということも同時に重要です。そこで大事なことは、最も適切な問題を定義すること。

問題定義のポイントがズレてしまうと、より良い解決策にはなりません。貴社のビジネスを大局的に見て、貴社のビジネスがどこに位置しているのか?貴社のビジネスの本質はどこか?という視点が良いデザインにつながる問題定義になります。

事業あるある

デザインを進める際に、正しい問題定義を見つけるには時間がかかります。ですが、問題定義がズレた状態をしてしまうと、以下のような失敗に繋がりやすいということだけをお伝えできればと思います。

新規のお客様に来てもらえなくて、なかなか売上げの上がらない路面店の美容室を題材にしたいと思います。

この場合、多くの方は、新規のお客様の売上げが上がらないということで、一刻も早く割引チケット付きのチラシを周辺地域に配ることを始めると思います。ですが、これは目先の問題に焦点が当たりすぎて、大事なことに気づけていません。

そもそもチラシを選択したことが、本来の問題解決からズレています。なぜなら、路面店の美容室の強みは、外から店内が覗けることです。そのため、まずはお客様の不信感を取り除く行動を起こさなくてはいけません。となると、5000〜10,000枚に1人というチラシ集客に力を入れるのではなく、店内に入ってもらいやすくすることが最初にするべき行動です。

つまり、この時にやるべきことは、店舗前を通られたお客様への対応(路面看板、手配りのサービス券、入りやすい雰囲気を感じさせる笑顔の提供)が問題解決として一番最初に行うべき行動です。

このように正しい問題定義ができれば、snsを使った店内動画やお客様対応の動画など、他の対応もたくさん浮かんでくると思います。ビジネスの本質がズレるということは、物事の判断軸がズレることと同じです。これが問題定義において重要な考え方だと思います。


良いデザインを伝達に使う

誰のためのデザインか?という答えは、社内において『やること』と『やらないこと』の指標でもあります。誰のために(誰を幸せにするために)この仕事を行っているのか?という軸を持った行動は、具体的なお客様像が浮かぶことになり、お客様に集中できるため、社員のモチベーションを維持にも繋がります。また正しい問題定義は、お客様のための仕事の工夫(改善・改良)につながります。

この2つの判断軸を明確にして、社内伝達にも利用していただき、より良いブランディングに取り組んでいただきたいと思います。


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