理念の共感、共有。これは、組織運営にとってはとても重要な役割を果たします。そのことに気付いた企業から大成する組織に成長します。ただ、判断を見誤ると行動が伴わなくなるため、組織は崩壊します。
そこで、より良い理念の共有や行動指針の作り方について、クレドの制作実例を用いながらお伝えできればと思います。
理念が大切さは、経営の勉強をしてきて実践を思い出すと、本当に大切だと思うようになった。
そこで、ミッション・バリュー・アクションなどを整理して、クレドの制作を決めた。
スタッフの意識を統一を早めたくて、手軽さを重視して、数人の経営陣と話し合い、今までの理念に基づいた行動指針までを作ってスタッフに配布。
スタッフには毎日持ち歩くように指示を出し、財布にも入るサイズにしてあるし、朝礼では、クレドを読む時間も作った。
だが実際、クレドを持つようにしてからも統一感や能動的な行動を感じる場面もない。
全社員がクレドを持てば、意識が変わると思ったのだけど、なぜ変わらないのだろう?
単純に、浸透するまでに時間がかかるだけだろうか。ウチは中小企業で社員数も少ないし、会社の意図を理解するのに、そんなに時間がかかるとは思っていないけれど。
社員は、変わろうとしてくれているのだろうか。意識して変えようとしてくれているのだろうか。
クレドを作ったことで、社員の意識が変わった。という会社も多いと思います。だからこそ、全社員一丸となった組織づくりに興味をお持ちなのもよくわかります。
特に現代は、組織力の強さが会社を支える場面も多くなりますから、クレドに頼りたくなる気持ちも理解できます。
ですが、クレドをつくる際に、何を意識してつくるか? という点を間違えると、社内の統率や能動的な意識改革はできません。それらの点も意識してクレドを作成してもらえたら、もっと楽しく働ける会社環境が手に入ると思います。
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クレドを作ったのに一体感が生まれない。と嘆く中小企業は、クレドが「指示」になっている!?
クレドを作ったのに一体感が生まれない。と感じるのは、共有や共感をできていないことに原因があります。
これまで指示待ちだったスタッフに、経営陣が突然クレド渡しても、一体感も能動的社風も生まれることはありません。理念を共有する場面や、仕事環境に対する不満解消をして、社員が共感できる要因を洗い出さなければ、それは「クレド」ではなく「指示書」です。
共感や共有は、指示からは生まれません。「会社で使うクレドは、一体、誰のためのモノか?」について、今一度考え直した方が良いでしょう。
クレドを作ったのに一体感が生まれない。と嘆く中小企業は、クレドの役割を知る必要がある
クレドを作ったのに一体感が生まれない。と思うのは、クレド本来の役割を知らない可能性があります。
クレドの役割とは、会社の文化や風土を形成するためのものです。つまり、現場で働く社員が、明るく、楽しく、気持ちよくなれなくては、文化も風土も良くなるはずがありません。
立ち上げメンバーで会社が成立していたり、社員が20名以内ならば、上からの指示的な方法でクレドを作っても構わないかもしれません。なぜなら、創業者の意思(想いやモチベーション)はすぐに伝わるからです。
でも、それ以上の人数で経営されている場合は、文化や風土を作るつもりでクレドを制作しましょう。
クレドを作ったのに、社内に一体感が生まれない理由
クレドで一体感が生まれない理由は、社員との対話が少ないから。
社員には、創業者の苦労や必死に守り抜いてきたことなどは、一つも伝わりません。ですから、考え方の基準が定まらないのは当然です。
だからこそ、今の会社をより良くするためには、自分たちにはどんなことができるのか?
それについて、話す機会も必要です。それが対話としてできていることが大事で、しっかりと会社の本質に向かった話し合いができていなくては、クレドは反発を生むだけです。
人の心理として、自分で出したルールや自分たちで出した結論は守ります。能動的な意思決定の場(自分で決める場面)を作ってあげること。それが一体感を生み出します。
クレドは、道具として与えるのではなく、目的共有のために作ってもらいたいと思います。
一体感が生まれるクレドの作り方
一体感が生まれるクレドを作るために、全社員と話さなくてはいけないのか? 全社員の意見を聞かないといけないのか? というと、そういうわけではありません。
意見を言える場を提供してあげるだけで十分です。ただし、現場で起きている問題や不満が会社に伝わっていることが大事。だからこそ、クレドに現場の意見が反映されていることは重要です。アンケートでも大丈夫なので、ぜひ、現場の意見を反映するクレドづくりをしてもらいたいと思います。
サブファイ ブランディング パートナー 神田:info@subphy.com
過去に制作したクレドについて
クレドを作る際に、もっとも大切にしたことは「行動指針の共有」です。そこで、現行の行動指針を見せていただきました。 全スタッフには、常にポケットに持参してもらっていたようです。
▽ クレド作成前の行動指針 ▽
1、この行動指針を元に、全スタッフへ数回に及ぶアンケートを実施しました。
▽ クレド作成前のアンケート ▽
2、これらのアンケート結果を元に、具体的な行動へ落とし込みクレドとして配布しました。
▽ クレド ▽
断片的にしかお伝えできなくて残念ですが、実際に行動を言葉に落とし込むまでには、かなりの時間がかかっています。ですが、社員の方達からは「自分たちの意見を反映されている。」という感想をいただけたようでした。
本来なら、社員の方々としっかりと向き合う時間をいただきたかったのですが、ご予算の都合上、それは叶いませんでした。それでも、この制作によって一体感や連帯感が生まれたというご報告をいただけたので、できる限りの中で精一杯のことができたと思っています。
社員の自信につながるクレド
売上げも上がりっぱなしで、誰もが楽しく働ける環境ならクレドは必要ないかもしれません。
ただ、それでも会社員としての誇りを持ち続け、自信を保ったまま現場に立ち続けるというのは大変なことです。そんな社員の気持ちに寄り添ってあげることこそ、企業成長の秘訣です。
ミッション・ビジョン・バリュー・アクションなど、経営視点で意識の共有をしたい場面もあるでしょう。ですが、現場を背負っている社員の気持ちに寄り添ってあげることこそ、本来の経営と呼べるのではないかと考えています。
その他にも、対外的な役割として理念を公開された企業様もあります。過去の事例としてご参考くださいましたら幸いです。
サブファイ ブランディング パートナー 神田:info@subphy.com